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さっき途中で投げ出したのはとあるシリーズの続篇。
つづきといっても時系列はバラバラなんですが。
前回?突然ふたりが一緒に住んでる設定だったので、その仮定をいつかと思いつつ。
何年も進行しない、後退もない僕たちの関係。ずっと、出会った頃から変わらない友人関係。少し他とは違うけど。途中、崩れかけても彼か僕が立て直してきた。だから強い信頼関係はあるとおもう。
時々、英二の家にいく。英二はいつも快く迎えてくれる。僕は、自分の気持ちを抑え込むことに然程苦労しなくなった。英二は知ってか知らずか、たまに期待させる態度をとる。そのたびきっと気のせいだと、僕は自身に言い聞かせる。だって僕らはそれで成り立っている。これ以上の関係は望まない。いまを積み重ねて一生友だちで、何年もそう決めてきた。僕は、英二とふたりでとめどない話をして過ごす他愛ない時間を愛している。
ひと月前、一年以上つき合っていた女性と別れた。英二には僕が引きずっているように伝えたけど、本当はただの友人に戻っただけだ。同じ社内だからいまでも会えば笑顔で挨拶を交わす。気軽に憎まれ口を叩ける異性というのは心許せてなかなか居心地がいい。彼女と別れたのは他でもない、僕の方の問題だ。愛称は悪くなかった。それほど淡白にしたつもりも、演技でもなかった。それなりに愛していた。だけど、それなりだった。最初から気づかれていたけど、彼女が本気になれる相手があらわれるまでは、とお互いに暗黙の了解でつき合っていた。打算的だけど。そういう意味では英二に言ったことも嘘じゃない。
かくして僕はまたひとりになった。
英二は誰かとつき合ったことがあるんだろうか。聞いたことはなかった。わざわざ聞く勇気もないけど、それならそれでいいと思っていた。どうせまかり間違ったとしても不毛だからだ。そんなことに英二を巻き込まなくて本当によかった。
二ヶ月後、英二とたまには外で食事しようと言うことになった。既に夜も暑い空気が身体にまとわりつく季節、暑気払いだ。夜待ち合わせた。少し早く待ち合わせ場所につきそうだったから遠回り
昼休憩の声がかかった。不二の所在を真っ先に探す。もう、癖になってる。コートの周辺にいないから、ひとより早く別の場所に移動したんだろう。俺は不二の粋そうな場所を走って探す。
中学三年になって一緒のクラスになっても、どこか距離を置く不二。俺だけテリトリーに入れてくれない不二。なにか悪いことしたわけじゃない。最初からそうだった。手塚でさえ、面倒くさそうにしたってちゃんと会話はなりたつのに。不二と言えば、ふたりでいる以外はそうでもないけど、ふたりで話したことなんて一度もない。何が気に入らないのか、あの薄ら気味悪い笑顔のしたにどんな気持ちを隠してるのか聞いてみたい。
俺たちの最後の夏。不二に挑んだ。
存外近くにいた。グラウンドの裏、コートの脇の木陰で昼寝する不二を見つけた。そっと近づき不二を呼んだ。同級で同じ部活で、親友を演じる不二。俺は頼まないのになんで?
眠っていない不二は目を開けることなく「なに?」
不二の冷たい声。暑いのに、そこだけ冷えた空気が流れた錯覚。
「ごはん、たべないの?」
唐突な質問に不二は目を開けた。しばらく俺の目を見て、突然吹き出した。
「なに?俺、変なこといった?」
「いや…」
まだおさまらないらしい笑いを堪えながら言った。苦しそうに笑う不二は歪んだ表情なのにきれいだとおもった。
「で、なにしにきたの?」
俺の問いには答えず、不二が質問する。
「う…ん、別に用ってわけじゃないんだけどさ。不二っていっつも昼どうしてんのかなって」
思ってないことを言う。
「僕は…君はさ、僕といないほうがいい。僕は、君を友達だなんて一度も思ったことない」
ふじの
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